この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。 Ver. 2.0


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郷には入れば郷に従え&巻き寿司の大行列

そもそも昨日の晩に調子こいて巻き寿司なんて作ったのは、今日のイベントと関連していたのです。

苦戦を強いられた寿司作り。最後まで読んで頂ければとっても嬉しいです!!

いつも世話になってるドイツ人の友人に誘われ、芸術家形が集うアトリエの「プロジェクト発足パーティー」に参加してきました。このグループは、州の助成のもとで町に美術館を作るというプロジェクトを立ち上げ、またその際に日本の美術館にも提携関係をもとめていくのだそうです。

巻き寿司作りの第1ラウンドは「買い出し」でした。とりあえずRannischerplatzから少し西に行ったところにあるWolmitzerstraseのアジアンショップに入りました。今回訪れたこのショップ、品揃えはかなり充実していました。小豆、寿司米、わさび、卓上醤油、カニかま、餅米、冷凍エビ、ソーメン等が一通り手に入ります。炊飯器の在庫も、たまに利用するAm Steintorのそれよりも多かったです。こんなに充実したアジアンショップが我が町にあったなんてほんと知りませんでした。



Rannischerplatzの全景。西方面と南方面へ行く路面電車が合流する地点で、「広場」とは名ばかりで交通量が非常に多いところです。

画面左側、東側には大学のパーティーでよく利用されるEasy Shoreというダンスホールがあります。今回訪れたアジアンショップは写真左下の方面へ通じている道を少し行ったところです。





そこで米3キロ、海苔40枚、がり2瓶(友人のこだわり)、S&Bのわさびチューブ一本、卓上醤油一本を買いました。どうやらお客は15人ほどなのだそうなので…。ちょっと買いすぎでは…って思いましたが。

その後、卵、キュウリ、鮭、ツナ、マヨネーズを買うためにすぐ近くにあるドイツのスーパーに入りました。こんなどこにでもあるスーパーに新鮮な魚がないことは百も承知。大体予測は付いていましたが、友人は何と冷凍の鮭を買っていました。やはり生食用と加熱調理用の区別は付かないのでしょう。「郷にいれば郷に従え」なのであえてここは口出ししないことに。まぁ、それらはドイツ人の胃袋に言ってもらえばいいのだから(笑)。

第2ラウンドは調理準備。アトリエってもっとおしゃれなところをイメージしていたのですが、付近は工場廃墟が乱立するもの凄く寂れたところ。建物の中もぼろぼろ。アトリエといっても乱雑で目を疑ったほど。「こんなところにまともなキッチンなんてありゃせんだろう・・・」って思いましたが図星でした。


RIMG0574ここが本日の調理場兼パーティー会場。コンロは中央奧に見える大小1つずつある電熱プレート。ミニキッチンは、廊下にありましたがスポンジはボロボロ、洗剤もほとんどない、調理台にはコップが山積み・・・。とても「料理」と名の付くものができる環境ではありませんでした。炊飯器は2台とも私名義のもの。いろいろな事情で何故か2つ持っているのです。




しかしここもやはり「郷にいれば郷に従え」の精神。すぐにでも逃げ出したい気持ちをグッと抑え、調理の段取りを立てました(涙)。まずはお米を炊く作業から。15人前の巻き寿司に必要な米の量なんて想像付かない。とりあえず各々の炊飯器で5合ずつ炊く事に。ドイツ人の友人はお米を「とぐ」ということを知らなかったのでまずはそれをレクチャーすることに。この「米をとぐ」という下準備はドイツの台所事情には合わないのかもしれません。というのも、ドイツの水道代はとっても高いのです。とにかく米とぎにはたくさんの水が必要になります。なので、作業中にアトリエの人から「水道使いすぎだ」っていうクレームがこないかどうか冷や冷やしていました。


米とぎは結局友人の分も手伝うことに。洗ったら次は「米をかす」作業。ドイツは乾燥しているので、この「かす」作業が結構大事。しっかりお米に水を吸ってもらって、ちょいと柔らかめを炊く意識でいかないとかちかちなご飯が出来てしまいます。この間に、キュウリと卵焼きの下準備に取りかかりました。厚焼き卵は残念ながら友人は出来ないので私の仕事になりました。昨日練習したのでこれはばっちり成功。次にキュウリ切り。これも結局切る作業は私になりました。ドイツ人って概して刃渡りの大きなナイフ(いわゆる包丁)を使いたがらないのです。タマネギのみじん切りや、じゃがいも、ニンジンなども小さいナイフでちまちまちまちま切るんです。そんなことされたら時間がいくらあっても足りないので、半ば強引にこの作業を奪い取りました。友人にはその後ツナマヨを作ってもらいました。その間に私は酢飯の酢の調整をすることに。味付けはドイツ人には任せられない。日本人の「舌」の見せ所です。そうこうするうちに米が炊けました


一通り材料が揃い、第1弾の巻き作業開始です。最初の具材は、ツナマヨ、キュウリ、卵です。友人も巻き簀を持ってきていたので(どこで入手したのか不明)作業はスムーズに進みました。しかし「これじゃ材料ちょいと足りないので後でもう一度買い出しに行こう」ということに。何が足りないのかよくよく聞いてみると、チューブわさびと醤油らしい…。米も3キロ、具材もとりあえず揃っているのに大丈夫だと思っていた矢先、段取りの微調整を余儀なくするはめに・・・。


一つ目の炊飯器が保温になってから15分後、酢飯作りです。飯切りがないので、大きくて底の深いフライパンを代用することに。しゃもじを切るようにシャッシャッっと動かしながらの作業。フライパンは金属製故に粗熱はしっかりとってくれたようです。そしていよいよ「巻き巻きタイム」です。苦戦しながら何とか8本巻くことが出来ました。その中から何本か切って試食。味も悪くありませんでした。とりあえずここで作業を一旦中断して再度買い出しに行くことに。さっき行ったアジアンショップではチューブわさびと醤油を、スーパーではキュウリとジュースをかいました。


第3ラウンド。ツナマヨが残っていたので、新たに酢飯を作った後もう2本つくり計10本。空っぽになった炊飯器をもう一度あらい、炊飯の仕掛けをする。窓際で自然解凍していた冷凍鮭とカニかまが溶けてきたので、冷凍鮭を切る。冷凍鮭を切り終わったら、今度は卵をもう一度あと2枚焼く作業。結局私は巻く暇なし。ほとんど下準備でばたばた動き回っていました。友人は黙々と巻き続ける。まぁ、そこそこ上手だったのでよかったのですが。


結局30本完成。切る前のものでも、お盆に並んだその光景は壮絶なものでした。その時、ドイツ人の若い女性3人が入ってきました。寿司作りがよほど珍しく映ったのか、一人の子が「何かお手伝いすることはないか」と言ってきてくれました。そこそこ愛嬌のある子達だったのでまぁOKということに(笑)。当初私は30本の巻き寿司をすべて切る担当だったのですが(小さいナイフで切って、形が崩れたら大変なので)、結局彼女たちの熱意に屈して切り分け作業を手伝ってもらうことにしました。ナイフ(包丁)を湿らせながら、真ん中から切っていくのを教えるとその通りに結構綺麗に切ってくれました。まぁ、若い女の子達と会話も弾んだし結果オーライって感じですね(笑)。あぁ、こんなことを書くようになるともうオッサンなのかぁ・・・。


RIMG0587 
寿司の隊列。ここまで大量に並ぶと「美味しそう」を通り越してなんか不気味でした。切れども切れども次から次へと寿司、寿司、寿司。もう見ているだけでお腹一杯になりました。実際のパーティーではほんの数きれを食べただけ。もうお寿司は勘弁願います!!
画像をクリックして見て頂くと、逃げたくなりますよ(笑)。




そんなこんなで何とか完成。パーティーも始まりました。お箸、取り皿なんかも用意され(これもどこで調達してきたのか謎)結構本格的な「寿司パーティー」でした。


RIMG0592何故そんなにわさびや醤油を必要とするのかわかりました。確かに10数名いましたが、奧の卓上醤油の瓶が一気に空っぽになりました。みんな、小鉢に醤油をどぼどぼ入れ、わさびをたっぷり入れて溶かし、そこにお寿司が茶色くなるまで浸して食べるのです。
魚肉なのでさっぱりした白ワインが合いそうなのに、真逆の赤ワインをどんどんあおる。30本巻いた疲労と、この光景に愕然として食欲の針は結局全く動きませんでした。



参加者はほとんどが男性。女性はたったの4名でした。「日本のお寿司が海外でどのように食べられているのか」ということを身をもって体験できた貴重な時間でした。日本食ブームといわれていますが、やっぱり情報の偏重というのは怖く、「正しい食べ方を伝えるのは難しいのかな」って思いました。まぁ、それで美味しいって思う彼らには罪はなくて、作ったものを全て平らげたくれたことに感謝はしないといけないんだろうけど、でも日本人としてはなんか複雑な気持ちを抱いた時間でした。 

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